2019年 最初のアメリカ 雇用統計の発表が、本日22:30に控えています。
雇用統計は、相場に大きな影響を与えるため、多くの相場参加者が意識している経済指標です。
そのため、雇用統計発表後は大きな値動きとなり、高いボラティリティを利用したトレードをする方も多いでしょう。
私も、その一人でしたが、2018年以降は雇用統計トレードをやめました。
2019年 1月の雇用統計もトレードはしません。
その理由を、忘備録として残しておきます。
2018年の雇用統計の異常な低ボラティリティ(変動幅)
2018年のアメリカ 雇用統計は異常なほど、値動きがありませんでした。
下の表は、雇用統計発表後の5分足の高値/安値の変動幅の表です。
雇用統計発表日 | 5分足の変動幅 |
4月6日 | 28pips |
5月4日 | 20pips |
6月1日 | 23pips |
7月6日 | 23pips |
8月3日 | 17pips |
9月7日 | 29pips |
10月5日 | 28pips |
11月2日 | 21pips |
12月7日 | 25pips |
表を見ると、30pips以下の値動きしかないことが分かります。
5分足の高値/安値ですので、20pipsくらい動くことは、経済指標の発表がなくても、よくあることです。
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2014年~2018年の雇用統計
以下の表は、2014年から2018年までの5年間の各月での雇用統計発表後 5分間の変動幅の最大/最小、50pips以上変動した回数を表しています。
最大変動幅 | 最小変動幅 | 50pips以上変動した回数 | |
2018年 | 48pips | 17pips | 0回 |
2017年 | 93pips | 32pips | 7回 |
2016年 | 105pips | 23pips | 7回 |
2015年 | 116pips | 45pips | 9回 |
2014年 | 101pips | 28pips | 8回 |
2014年から2017年までは、最大変動幅が約100pips、最小変動幅でも20pips以上あります。
また、50pips以上変動した月の合計を見ると、半数以上の月が動いていることが分かります。
しかし、2018年は一度も50pips以上の変動がありませんでした。
このことからも2018年の雇用統計の値動きのなさが分かります。
雇用統計トレードをしなくなった理由
以下の理由から、2018年6月以降、雇用統計トレードをしなくなりました。
- 雇用統計のボラティリティが異常に小さくなった
- 発表時の相場の動きとファンダメンタルズである雇用統計結果に相関が見えない
- テクニカル的な動きが見えない
雇用統計(米)とは、アメリカの景気を判断する経済指標(ファンダメンタルズ)です。
事前の予測値などを織り込んで相場は動くこともありますが、あまりにも発表結果と相場の動きに相関がありませんでした。
また、ファンダメンタルズとの相関がないのであれば、テクニカルが相場を支配しているはずですが、テクニカル的な相場の動きもありませんでした。
雇用統計の発表前後の値動きが、これまでと全く異なる相場となったのです。
そのような相場でポジションを持ち、相場に資金をさらすことは、リスクが高すぎるため、トレードをしなくなりました。
2019年1月の雇用統計トレードをしない理由
年度がかわり、2019年1月3日の朝 クロス円全般でフラッシュクラッシュが発生し、10分ほどでドル円が4円急落。
直後に、2円ほど反発上昇するという年明けでした。
Apple(米)の業績悪化やアルゴリズム取引の影響など、いろんな原因が取り沙汰されていますが、後付けでしかありません。
今回トレードをしない理由は、以下です。
- お正月休みで日本の投資資金が入らない
- 相場参加者の多くが、欧米の金融機関
- 2018年の雇用統計の低ボラティリティの影響が残ったままの可能性がある
- 年明けのフラッシュクラッシュで相場が荒れている
欧米の金融のプロを相手に、低ボラティリティかもしれず、値動きの根拠が分からない相場でストレスを溜め、資金を失うよりは、今回の雇用統計を様子見して、2月以降の雇用統計トレードをするかどうかの判断をした方が良いと考え、トレードしない選択をしました。
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暴落/暴騰相場を生き残るための対処法
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最後に
雇用統計に限らず、相場の動きが理解できない時は、トレードをしないことが一番だと考えます。
また、ポジションを持っている時に、相場の動きが想定と違っても、同様です。
資金を失わなくとも、ストレスを溜めると、集中力や判断力が低下し、エントリーや決済タイミングを逃したり、根拠の薄いトレードをしてしまいがちです。
テクニカルトレードをするのであれば、テクニカルで動いている相場で、トレードをすべきです。
ファンダメンタルズを利用してトレードをするのであれば、ファンダメンタルズで動いている相場でトレードをすることで、優位になれます。
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テクニカル、ファンダメンタルズ、相場を支配しているのは、どっち?
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9割が負けると言われている相場の世界です。
生き残るためには、無駄なトレードをしないことが、大事です。
ぜひ、自分の得意な場面で優位性のあるトレードをしてください。