私はテクニカル重視のトレードを行います。
先日の雇用統計(2018年6月1日)で、私は「ファンダメンタルズ勢力が相場を支配している」と考え、トレードを控えました。
理由は、「事前のトレードプランが雇用統計発表前後で有効ではなかった」からです。
実際、6月の雇用統計は事前に情報がトランプ大統領によって漏れていたため、相場は雇用統計の結果発表前に結果を織り込んだ動きをしていました。
つまり、相場はファンダメンタルズ勢力に支配されていたのです。
私のように、テクニカルを重視してトレードする場合、相場がテクニカル勢力に支配される相場では利益を積めますが、ファンダメンタルズ勢力に支配されている相場では利益を積めないので、テクニカル派はトレードを控えるべきです。
そうすることで、損失が生じることを防ぎ、損小利大の原則を守って資金を増やすことができるからです。
テクニカル派、ファンダメンタルズ派、色々な方がいると思います
自分の得意な相場でトレードをすることで、利益を積めるのは当然です。
今回は、相場がどの勢力に支配されている状態なのかを知る方法を紹介します。
テクニカルとは?
過去のチャートで意識されている水平線やチャートパターン(レンジ、トレンド、ダブルトップ、ヘッド&ショルダー、ペナント、フラッグなど)から、売買のポイントを想定すること。
ファンダメンタルズとは?
各国の経済情勢(経済成長率、物価上昇率、失業率、財政収支、貿易収支、政策金利、株価など)や地政学的リスク(紛争、災害など)から、売買のポイントを想定すること。
テクニカル、ファンダメンタルズから見る相場
テクニカル勢力とファンダメンタルズ勢力の売買からチャートを見ると、相場には三つのパターンがあります。
- テクニカル勢力が支配している相場
- ファンダメンタルズ勢力が支配している相場
- テクニカル勢力、ファンダメンタルズ勢力ともに、撤退している相場
どのような相場か、チャート付きで想像できるでしょうか?
次から具体的な相場のパターンをチャート付きで見ていきましょう。
テクニカルが支配している相場
テクニカル勢力が支配している相場
=チャートパターンなど、過去のチャートから得られる情報が有効な相場
下のチャートは、テクニカル勢力が支配している相場です。
意識されているポイントを水平線とトレンドラインでつないでいます。
水色の線で表せるペナントでは、水色の○の部分で相場が反応し、価格がペナント内に戻されていますね。
また、ペナントをブレイクした後に下落トレンドが発生したので、高値安値にトレンドラインを青色で2本引きましたが、こちらも青色の○できれいに反発して、トレンド内に価格が戻されています。
このようにテクニカル勢力が支配している相場では、過去のチャートから得られるパターン(レンジ、トレンド、ダブルトップ、ヘッド&ショルダー、ペナント、フラッグなど)が有効で、その中で値動きを形成します。
そのため、チャートパターンのレジスタンスライン、サポートラインなどを利用したトレードが有効になります。
ファンダメンタルズが支配している相場
ファンダメンタルズ勢力が支配している相場
=経済情勢や地政学的リスクにより、過去のチャート情報が無効な相場
下のチャートは、ファンダメンタルズ勢力が相場を支配した2015年1月15日のEURCHF(ユーロ/スイスフラン)のチャートです。
「スイスフランショック」という言葉で知っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
2015年1月15日までは、EUR/CHFは「1EUR=1.2CHF」を下限目標として、スイス中央銀行が為替介入を行うと表明していました。
しかし、2015年1月15日に、突如スイス中央銀行は下限目標撤廃を宣言したため、売りが売りを呼び、「1EUR=1.2CHF」から「1EUR=0.85CHF」まで、わずか15分で価格が約2/3に暴落しました。
下の画像は、当時のチャートです。
暴落の激しさに値飛びしています。
金融機関も値をつけられなかったことが分かりますよね。
「1EUR=1.2CHF」をレンジ下限として、OCOなどで損切り設定していた人たちは、値が飛んでしまったことで、「1EUR=0.9CHF」や「1EUR=0.85CHF」、「1EUR=1.0CHF」などで損切りされてしまったのです。
ハイレバレッジで取引していた方は、業者によっては追証(追加証拠金)を求められる事態となりました。
スイスフランショックほど、大きな影響はなくとも金利政策(FOMC)や雇用統計などの経済指標もファンダメンタルズ勢力が、相場を支配する要因になります。
各国の経済情報によって、大きく相場が動くときは、流れに乗るトレードで利益を積みましょう。
テクニカル勢力、ファンダメンタルズ勢力ともに、撤退している相場
テクニカル勢力、ファンダメンタルズ勢力ともに、撤退している相場
=方向性もボラティリティもない動きが続く相場
下のチャートは、テクニカル勢力、ファンダメンタルズ勢力ともに、撤退している相場のチャートです。
赤い水平線で値が動いているのが分かると思います。
しかし、緑で囲った場所では、赤い水平線をレンジの上限下限として意識した動きをすることもなく、方向感のない動きが長時間続いています。
このように、売り買いの定まらない相場では、テクニカルもファンダメンタルズも意味をなしません。
テクニカル勢やファンダメンタルズ勢が相場に参入し、流れが出るまで、トレードを控えるべき相場です。
まとめ
相場には、色々な視点を持った参加者がいます。
テクニカルを利用したトレードを行う人もいれば、ファンダメンタルズを利用したトレードを行う人もいます。
自分が得意とする相場が、どのような相場なのかを知ることで、勝ちやすい相場を選ぶことができます。
- FOMC発表後の流れに乗ったトレード
- レンジの上限下限での逆張りトレード
- 雇用統計前の期待感に沿ったトレード
- トレンドの押し目買い、戻り売りトレード
やり方は人それぞれ違います。
テクニカルが支配してる相場、ファンダメンタルズが支配している相場を把握して、自分の得意なパターンを伸ばしていってください。