買い相場(上昇トレンド)と売り相場(下落トレンド)では、異なる特徴があります。
今回は、売りと買い相場の波形(価格の変動幅と速度)の特徴について解説します。
買い相場(上昇トレンド)の波形の特徴
- 価格の変動幅が小さい
- 価格の変動速度が遅い
- 複数のローソク足で、一つの波形を作る
- 押し目をしっかりと作って、ゆっくりと価格が上昇しやすい
絵にすると、こんな感じです。
一本のローソク足で、一気に上昇するのではなく、複数の陽線と陰線で高値安値の波を作って、上昇していくことが多いです。
売り相場(下落トレンド)の波形の特徴
- 価格の変動幅が大きい
- 価格の変動速度が速い
- 少数のローソク足で、一つの波形を作る
- 戻り目を明確に形成せず、急激に価格が下落しやすい
買い相場と比較すると、価格の変動幅が大きく、波形が明確でないことが多いです。
チャートで見る売り相場と買い相場の速度
実際に、買い相場(上昇トレンド)と売り相場(下落トレンド)をチャートで見てみましょう。
USD/JPY(ドル円)4時間足
チャートの水色の四角部が買い相場(上昇トレンド)、薄桃色の四角部が売り相場(下落トレンド)です。
ピンク色の水平線(113.560)をネックとしたヘッドアンドショルダーで、買い相場が下売り相場に転換しています。
買い相場も売り相場も赤色の水平線(111.647)~ピンク色の水平線(113.560)まで、価格(縦軸)は推移しています。
しかし、横軸の時間を見ると、買い相場よりも売り相場の方が、短時間で変動していることが分かります。
具体的な数値でみると、要したローソク足は
買い:50本
売り:31本
同じ変動幅を形成するのに、買いは売りの1.6倍の時間がかかったということです。
最後に
相場格言に「売りは迅速、買いは悠然」という言葉があります。
売りは迅速、買いは悠然
相場が天井をつけて、下落に転じる期間は短く、相場が底となり、上昇に転じるには時間がかかる
買い相場(上昇トレンド)は、時間をかけて価格が上がっていくが、売り相場(下落トレンド)は、一気に価格が下落する
格言になるほど、昔から買い相場(上昇トレンド)と売り相場(下落トレンド)の特徴は有名ということです。
トレーダーの中には、この特徴を利用し、
- 買いよりも売りの方が、価格の値動きが速くて大きい下落トレンドを利用した売りトレードをする
- ポジションの保有時間は長くなるが、押し目が明確な上昇トレンドを利用した押し目買いトレードをする
というように、自分のトレードスタイルを決めている方もいます。
相場(トレンド)の特徴を理解することで、自分のトレードスタイルや性格に合った相場でトレードすることができるようになります。
ぜひ、相場の特徴を掴んでください。