相場には、以下の三つの状態があると紹介したことがあります。
- テクニカル勢力が支配している相場
- ファンダメンタルズ勢力が支配している相場
- テクニカル勢力、ファンダメンタルズ勢力ともに、撤退している相場
今回は、テクニカル勢力が支配している相場の中でも、レンジについて解説します。
-
テクニカル、ファンダメンタルズ、相場を支配しているのは、どっち?
私はテクニカル重視のトレードを行います。 先日の雇用統計(2018年6月1日)で、私は「ファンダメンタルズ勢力が相場を支配している」と考え、トレードを控えました。 理由は、「事前のトレードプランが雇用 ...
続きを見る
テクニカル相場の種類
テクニカル相場は、四つの状態に分類できます。
- 上昇トレンド
- 下落トレンド
- レンジ
- トレンドでもレンジでもない状態
レンジをトレンドがない状態なので、「トレンドレス」と分類する方もいます。
その場合、相場はトレンドとトレンドレスの二つに分類されるのでしょう。
このブログでは、トレンドがない状態を「レンジ」と「トレンドでもレンジでもない状態」とします。
-
チャートを見ればわかる 一目瞭然「トレンドの定義」
トレンドとはどんな状態か、即答できますか? できる方、できない方、回答も何通りもあると思います。 しかし、覚えてほしいトレンドの定義は一つです。 トレンドをチャートの中で見つけられるようになれば、相場 ...
続きを見る
レンジとは?
レンジ=価格がレジスタンスラインとサポートラインの範囲内を推移している状態
分かりやすいように、簡単な絵で見てみましょう。
緑色の水平線がレジスタンスライン(高値)、橙色の水平線がサポートライン(安値)です。
高値/安値の範囲で価格が推移していることが分かります。
このため、高値を上に抜けるか、安値を下に抜けない限りは、レンジと言えます。
レンジの判断方法
レジスタンスラインとサポートラインで、複数回、価格が反発する場合、レンジと言えます。
実際のチャートでレンジを見てみましょう。
AUD/JPY 1時間足
緑色の水平線がレジスタンスライン(高値)、橙色の水平線がサポートライン(安値)です。
水色の○で高値、安値ともに2回反発したので、緑色の水平線と橙色の水平線が引け、レンジと判断できます。
水平線を引いた後も、レンジのレジスタンスライン(緑色の水平線)と、サポートライン(橙色の水平線)で、価格が反発(ピンク色の○)しています。
レンジが有効な理由
相場参加者が意識する意識ラインで、価格が反発することはよくあります。
価格の反発が1回だけでは、意識ラインをブレイクする可能性が高いです。
しかし、2回、3回と反発すると、相場参加者の心理として、「この意識ラインは、レジスタンスライン/サポートラインとして有効だ」と考えます。
それにより、意識ラインに価格が来た場合、「意識ライン付近で転換サインが出たら、逆張りトレードをしよう」と待ち構える投資家が多くなり、レンジが継続されます。
チャートパターンで見るレンジ
意識ラインは水平線だけでなく、チャネルライン、トレンドラインでも有効です。
そのため、チャートパターンと言われる
- ペナント
- フラッグ
- アセンディングトライアングル
- ディセンディングトライアングル
なども、レンジの一種と言えます。
参考のため、フラッグのチャートを見てみましょう。
AUD/JPY 4時間足
緑色のトレンドラインがレジスタンスライン、橙色のトレンドラインがサポートラインです。
水色の○で反発しているので、トレンドラインが引け、フラッグと判断できます。
その後、レジスタンスラインとサポートラインで価格が反発(ピンク色の○)しています。
最後に
「レンジ=水平線で引くもの」と考えがちです。
しかし、レンジが有効な理由を考えれば、トレンドラインやチャネルラインなどの意識ラインでも、レジスタンス/サポートラインは引けます。
チャートパターンとして知られているフラッグなども、相場参加者がトレンドラインをレジスタンス/サポートラインとして有効だと考えるから成り立つのです。
「相場の3割はトレンド、7割はレンジ」と言われます。
この7割は「レンジ」と「トレンドでもない状態」を合わせた割合です。
その中で、有効な意識ラインを引けるようになれば、「レンジ」でトレードして、「トレンドでもレンジでもない状態」ではトレードを避けることができます。
ぜひ、レンジを見つけれるようになってくださいね。
-
相場の基本 -意識ライン-
相場を理解するために勉強すべき項目は、「意識ライン」、「ローソク足」、「チャートパターン」の三つです。 この三つを理解することで、過去・現在の価格から、未来の価格の動きであるトレードプランを立て、根拠 ...
続きを見る
次回予告
レンジは永遠に続くものではありません。
そのため、レンジブレイクやレンジと時間の関係などは、次の記事で解説しますね。