サポートラインやレジスタンスラインを利用した逆張りトレードは、非常に有効です。
今回は、サポートライン/レジスタンスラインの引き方や有効な理由、具体的なトレード方法について、実際のチャートを用いて解説します。
サポートライン(下値支持線)とは?
サポートラインとは、下落していた価格が反発上昇する複数の安値を、水平線やトレンドラインなどで結んだ線を指します。
価格が反発上昇するということは、買い勢力が大量の買い注文を入れたということです。
買い勢力はサポートライン近くに価格が来ると、それ以下に価格が下がらないように買い注文を入れます。
そのため、安値を下支えするサポートラインを「下値支持線」と呼ぶことがあります。
レジスタンスライン(上値抵抗線)とは?
レジスタンスラインとは、上昇していた価格が反発下落する複数の高値を、水平線やトレンドラインなどで結んだ線を指します。
価格が反発下落するということは、売り勢力が大量の売り注文を入れたということです。
売り勢力はレジスタンスライン近くに価格が来ると、それ以上に価格が上がらないように売り注文を入れます。
そのため、高値の抵抗となるレジスタンスラインを「上値抵抗線」と呼ぶことがあります。
サポート/レジスタンスラインの引き方
サポートラインやレジスタンスラインは、水平線やトレンドライン、チャネルラインでも引けます。
最初は、同じような価格で反発するところに、水平線を引くのが分かりやすいでしょう。
水平線を利用したサポートライン、レジスタンスラインの引き方は、以下を心がけてください。
サポートライン:2回以上、価格が反発した安値に水平線を引く
レジスタンスライン:2回以上、価格が反発した高値に水平線を引く
なぜ、2回以上かと言うと、1回だけ価格が反発した場合、その安値/高値は相場参加者に意識されていない可能性が高いからです。
直近の最安値や最高値は別ですが、安値や高値は複数あります。
その中で、価格が複数回反発している安値/高値と、1回しか価格が反発していない安値/高値では、価格が複数回反発している方が注目されやすくなります。
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チャートで見るサポート/レジスタンスライン
実際のチャートで、サポートライン/レジスタンスラインを引いてみましょう。
AUD/JPY(オーストラリアドル/円) 1時間足
桃色の○部と水色の○部で、価格が2回以上反発しています。
そのため、緑色の水平線(77.900)がサポートライン、赤色の水平線(78.477)がレジスタンスラインと言えます。
意識ラインとして、最安値(紫色の水平線)と最高値(橙色の水平線)にも、水平線を引いていますが、サポートライン/レジスタンスラインではないのが、分かりますね。
サポート/レジスタンスラインが機能する理由
なぜ、サポートラインとレジスタンスラインで、価格が反発するのか、解説します。
考え方はサポートラインでもレジスタンスラインでも、売りと買いが違うだけで、同じです。
今回は、サポートラインを例として、見てみましょう。
下の絵を見てください。
サポートライン(緑色の水平線)とレジスタンスライン(赤色の水平線)で、2回ずつ価格が反発しています(水色と桃色の○)。
価格が、再度サポートラインまで下がった(橙色の○)時、各トレーダーの行動を考えてみましょう。
- サポートラインより上の価格で売りポジションを持っている人は、サポートラインで価格が2回も反発上昇しているので、含み損になる前に利食い(買い注文)する
- サポートラインで売りポジションを持っている人は、含み損が建値に戻ってきたので、建値決済(買い注文)する
- 買いポジションを持っている人は、さらに利益を出そうと、増し玉の買い注文を入れる
- 売りも買いもしていなかったトレーダーは、レンジになると見て、新規の買い注文を入れる
相場には売り勢力と買い勢力、様子見勢がいますが、どの勢力も橙色の○まで価格が下がった時点で、買いを行うことが分かります。
そのため、サポートラインで価格が反発上昇します。
このような理由により、サポートラインやレジスタンスラインの反発を利用した逆張りトレードに優位性があると言えるのです。
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サポート/レジスタンスラインを利用したトレード
では、具体的にどのように優位性のあるトレードをするのか、見てみましょう。
AUD/JPY(オーストラリアドル/円) 1時間足
先ほどのAUD/JPYチャートで、2回以上反発した後のレンジトレードができるのは、水色の四角部になります。
しかし、このチャートを見ただけで、サポートライン/レジスタンスラインに価格が来たからと、エントリーしていては、根拠が薄いと言えます。
灰色の四角部の下位時間チャートを見てみましょう。
AUD/JPY(オーストラリアドル/円) 5分足
5分足チャートを見ると、サポートライン付近で、Wボトムが形成されています。
レジスタンスライン付近で、ヘッドアンドショルダーが形成されています。
1時間足のチャートでは、Wボトムは下影陰線、ヘッドアンドショルダーは大陽線でした。
5分足チャートではチャートパターンが出現しているので、エントリー、損切り、利確の決済が明確になっています。
エントリーの一例として、Wボトムやヘッドアンドショルダーのネック抜けで、ポジションを持っても良いでしょう。
損切りはサポートライン/レジスタンスラインとなり、利確は買いトレードの場合、レジスタンスラインとなり、売りトレードはサポートラインとなります。
最後に
サポートラインやレジスタンスラインに慣れるためには、チャートを見て、自分なりのサポートライン、レジスタンスラインを引くことです。
最初は、悩んだり、機能しないラインを引くこともあります。
しかし、引いたラインの近辺で、価格がどのような動きをするのか見ていくと、相場参加者の心理や動き、意識されているラインなのかが分かるようになります。
また、チャートを注意深く見ていれば、価格が反発してレンジを継続するのか、ブレイクするのかも、見えてきます。
今回は、水平線でサポートライン、レジスタンスラインを引いていますが、トレンドラインやチャネルラインでも引くことができます。
考え方は、水平線のサポートライン、レジスタンスラインと同様です。
慣れていったら、トレンドラインやチャネルラインでも引けるようになるので、最初はひたすら水平線を引くことから始めてみてください。
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