月曜日の相場を支配している勢力が、窓埋めトレーダーです。
週一回、月曜の朝に窓埋めトレードだけしている専業トレーダーもいるほどです。
相場における「窓」とは?
なぜ「窓埋めトレード」が有効なのか?
「窓埋め相場」は、どのようなものなのか?
今回は、「窓埋め」について、紹介します。
窓とは?
前のローソク足の終値と次のローソク足の始値に、乖離(空間)があることを指します。
FXでは、前のローソク足の終値と次足のローソク足の始値は、ほぼ同じとなります。
そのため、FX相場における「窓」は、先週末の金曜日の終値と週明けの月曜日の始値にできやすくなります。
下のチャートを見てください。
金曜日の終値は146.712、月曜日の始値は147.071です。
週末の土日を挟んで、35.9pipsの窓(乖離)ができていますね。
株式市場では、頻繁に窓が開いてます。
FXでは、平日の市場が動いている中で10pips以上の窓が開くことは稀です。
市場が開いている時に、大きな窓が開く場合は、スイスフランショックのように数百、数千pips動きます。
スイスフランショックの窓を見たい方は、以前書いたファンダメンタルズの記事にあります。
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窓ができる理由
窓ができる理由は、2つあります。
- イスラム圏の為替取引
- 大口投資家による早朝取引
理由1:イスラム圏の為替取引
週末の土日に市場外閉まる欧米や東京と違い、イスラム圏は金曜日が休日となり、土日も市場が開いています。
世界全体の為替取引量でみると、EUR/USD,USD/JPY,GBP/USDが50%を占めていて、イスラム圏の為替取引量は微々たるものです。
しかし、土日に為替市場に影響を与える程の地政学的リスクが発生したり、要人発言があった場合、イスラム圏の投資会社に口座を持っている投資家は、資金を動かせます。
その影響で、金曜日の市場が閉まる際の終値と月曜日の市場が開いた際の始値に、窓ができるのです。
理由2:大口投資家による早朝取引
国内のFX会社は取引可能時間が、月曜7時開始が大半です。
しかし、海外のFX会社では、朝3~5時から取引可能な会社もあります。
参照:サクソバンク証券
https://www.home.saxo/-/media/documents/regional/ja-jp/Campaigns/FXgaiyo.pdf
画像のピンク部を見ると、サクソバンク証券では、月曜3時、または4時にFX取引可能です。
月曜の3時、4時は、市場の開始が最も早いニュージーランド市場も開いていません。
取引量が少ない時間に、大口の投資家が資金を投入すれば、相場を動き、窓が開きます。
窓埋めとは?
窓埋めとは、土日にできた窓を無くす(閉じる)方向に相場が動くことを言います。
週明けに買い方向に窓を開けた場合、先週末からロングポジションを持ち越している人は窓埋めを警戒し、利確します。
そうすると、相場の買い勢力の勢いが弱まり、売り勢力が強くなるため、窓が閉じる売り方向に相場が動きやすくなります。
売り方向に窓を開けた場合も同様です。
相場に窓ができた場合、窓を閉じる方向の勢いが生じ、窓埋めとなされます。
下の15分足チャートを見てください。
上位時間で引いたフィボナッチ78.6%で利確した買い勢力が抜けていき、売り勢力が強くなって、窓の下限146.712に到達し、窓埋めされているのが分かりますね。
窓は100%埋まる?
週明けに窓が開いたからと言って、全ての窓が埋められるわけではありません。
週末の地政学リスクや要人発言で窓ができた場合、相場をファンダメンタルズが支配し、窓埋めテクニカルが無効となります。
ファンダメンタルズが相場を支配していると一方向に動きやすくなるため、窓開けした方向に動きやすくなります。
下の1時間足チャートでは窓埋めせずに、窓開け方向に動いているので、ファンダメンタルズが相場を支配していると言えます。
まとめ
週明けの月曜日は、窓埋めトレードをするテクニカル派が相場を支配している場合と週末の地政学リスクなどを利用するファンダメンタルズ派が混在する場合があります。
相場を支配しているのが、窓埋め勢力だけであれば、流れに乗って窓埋めトレードをしていれば良いでしょう。
しかし、ファンダメンタルズが相場を支配していたり、窓埋め派とファンダ派が混在していると、相場の動きに乗るのは難しくなります。
金融機関で勉強したプロの投資家や何十年と相場で生き残り続けている窓埋めトレーダーのレベルになれるほど、窓埋めだけに絞った過去検証して、窓埋めトレードするのであれば、勝てるかもしれません。
そうでなければ、月曜日のトレードは欧州オープンまで控えたほうが賢明でしょう。
窓が開いていないから問題ないと考える方もいると思います。
しかし、トレードする通貨に窓がなくても、関連する通貨が窓を開けていると、その値動きに連動して動くこともあります。
理解しにくい相場でトレードをするより、理解できる得意な相場でトレードしたほうが負けを防げます。
プロのテニス選手には、芝のコートが得意な選手もいれば、赤土のコートが得意な選手もいます。
世界ランキングのトップを目指すのであれば、コーチやトレーナーに指導を受けて、全てのコートに対応できる技術を磨き、対戦相手を分析した上で勝つ戦略をとる必要があります。
しかし、私たち個人投資家は金融機関のプロと戦い、勝つ必要はありません。
自分が得意な相場で、必要な利益をもらえれば、それで十分なのです。
勝つことより、相場で生き残る方が大事です。