相場を理解するために勉強すべき項目は、「意識ライン」、「ローソク足」、「チャートパターン」の三つです。
この三つを理解することで、過去・現在の価格から、未来の価格の動きであるトレードプランを立て、根拠あるトレードができるようになるのです。
インジケーターが不要な理由
「インジケーターは必要ないの?」という声があるかもしれません。
多くのトレーダーが、インジケーターを利用してトレードをしているのは事実です。
しかし、相場を理解するためには、「インジケーターは絶対必要!」とは言えません。
インジケーターは過去の情報をもとに相場の状態を示すため、時にダマシとなってしまうからです。
ダマシの一例として、ボリンジャーバンドを見てみましょう。
ボリンジャーバンドはトレンド系のインジケーターとして、有名です。
±2σ標準偏差内で動く確率:95.5%
という根拠に基づき、±2σで逆張りトレードする手法が良く知られています。
しかし、日足や4時間足、1時間足が確定するまでには、時間がかかります。
下のGBP/JPY(ポン円) 1時間足チャートを見て下さい。
+2σ(147.757)に価格がきたからと逆張りの売りエントリーした場合、1時間足が確定した時点で、価格は+3σを超えています。
1時間も経たないうちに、含み損を抱えてしまうことになります。
このようにインジケーターは現在の価格より反応が遅いため、相場の現在の状態を的確に把握することは難しいのです。
インジケーターの使用は否定しません。
しかし、ダマシを避けるためにも、基本の「意識ライン」、「ローソク足」、「チャートパターン」を理解することが大事になります。
意識ラインとは?
水平線という言葉は、良く聞くと思います。
このブログでは水平線ではなく、意識ラインという言葉を使っています。
一般には意識ラインという言葉は使われていませんので、以下の定義を覚えていただけると嬉しいです。
意識ライン:水平線やチャネルライン、トレンドラインで引く斜め線、全てを指す
なぜ水平線だけでなく、チャネルライン、トレンドラインも大事なのかと言うと、チャートの中で意識されているポイントを結んだ線だからです。
トレンドが発生している場合、価格の縦軸だけを示す水平線では対応できない場合があります。
安値や高値に斜めの線を引くことで、反発のポイントを価格の縦軸だけでなく、横軸の時間でも追うことができるのです。
例として、GBP/USD(ポンドル)の4時間足チャートを見てみましょう。
1.29065より下の価格では水平線がありません。
水色のチャネルラインと価格が合致した桃色の○で価格が反発していることが分かります。
このように、水平線が引けない場合でも、意識される斜め線があれば、トレードは可能となるのです。
意識ラインの引き方
日足や4時間足、1時間足などの長期足で、「意識される価格」や「000,500ライン」に引くと良いでしょう。
「意識される価格」の具体例を、実際のチャートで解説していきますので、参考にしてください。
「000,500ライン」については、別記事で詳しく解説しています。
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000ライン、500ラインって、何?
2018年5月3日のFXトレードで、利確の目安に500ラインを利用しました。 000ライン、500ラインは、私のトレードでは意識ライン(水平線)として利用することが多いです。 その話を、 ...
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USD/JPY(ドル円) 日足
日足の意識ラインを赤線で引いています。
なぜ、この水平線を引いたか?
下の理由を見る前に、自分なりの理由を考えてみてください。
自分なりの理由を考えられましたか?
では、理由を解説していきますね。
橙色の○(113.142)は最高値、灰色の○(104.605)は最安値に水平線を引いています。
その他の水平線は、価格が反発上昇や下落したポイントを結んでいます。
桃色の○(111.817)、ピンク色の○(108.659)、黄緑色の○(106.944)、青色の○(105.657)は、二回価格が反発しています。
緑色の○(110.374)は三回反発し、水色の○(109.361)は四回反発しています。
チャートは日足なので、半年分(2018/3/13~2018/9/16)の日足が表示されています。
現在価格に近いチャートの右側の価格のみを重視しても構いません。
しかし、時間足が小さくなると、チャートの右側の価格だけでなく、一つの画面に現れる全ての価格を見る必要があります。
また、大きく価格が動いた場合、直近の値動きにしか水平線を引いていないと、目安がなくなってしまい、戦略が立てられません。
練習をかねて、時間足が大きくても、全ての意識ラインを引くことをお勧めします。
次に日足の下位足である4時間足チャートを見てみましょう。
USD/JPY(ドル円) 4時間足
赤線で引いた日足の意識ライン以外に、4時間足の意識ラインを引いてみてください。
自分なりの意識ラインは引けましたか?
では、4時間足の意識ラインを見てみましょう。
4時間足の意識ラインを水色で引いています。
橙色の○(112.159)は最高値、灰色の○(109.787)は最安値に引いています。
桃色の○(111.109)は、五回価格が反発しているので、引くべきですよね。
右端近くにある太い水色のチャネルラインは、上昇トレンドが発生している箇所に引いています。
チャネルラインは引けなくても、水平線は同じような場所に引けているのではないでしょうか?
次は1時間足チャートに日足(赤線)、4時間足(水色)の意識ライン以外で、意識される線を引いてください。
USD/JPY(ドル円) 1時間足
意識ラインを引いたら、下のチャートを見てみましょう。
1時間足の意識ラインを茶色で引いています。
桃色の○(112.077)、緑色の○(111.371)、青色の○(110.920)で、価格が複数回反発していることが分かります。
これまで見てきたチャートは、2018/9/16 23:00までを表示しています。
その後の2018/9/17 0:00以降の値動きを見ていきましょう。
USD/JPY(ドル円) 1時間足
1時間足で引いた112.077の水平線や4時間のチャネルで、価格が反発し、意識されていることが分かります。
もちろん、価格は更新されるので、引き直しや追加は必要です。
引き直しや追加の例
2018/9/17 0:00以前に高値としていた112.159で価格が反発することなく、上に抜けています。
相場参加者が意識していないということが分かります。
このような場合、意識ラインとして機能していないため、最高値を更新した価格に水平線を引き直しが必要になります。
学び方
- 朝の通勤電車の中や早く起きて、チャートに意識ラインを引く
- 昼休みに、意識ラインでの値動き、引き直しや追加するべき意識ラインがないかを確認
- 夜寝る前に、意識ラインでの値動き、引き直しや追加するべき意識ラインがないかを確認
1~3、全てできなくても、以下の手順を繰り返すことで、相場の注意すべきポイントや流れが分かってきます。
チャートに意識ラインを引く
→値動きを確認する
→引き直しや追加をする
→値動きを確認する
→引き直しや追加をする
最後に
「継続は力なり」
最初は手探りで迷うかもしれませんが、自分なりの意識ラインを引いてみてください。
私が提示した意識ラインの引き方を参考にするのでも良いです。
購入している商材があれば、そのルールに従って意識ラインを引くのも良いでしょう。
引いた意識ライン全てで、価格が反発するということはありえません。
上手く価格が反応する場合もあれば、反応しない場合もあります。
しかし、精度をあげることは可能です。
やってみて、振り返ることで経験が積み重なります。
そうすれば、自然と自分なりの根拠を考えて、チャートを見る力がついていきます。
線一本で、相場の動きが分かりやすくなる感覚を楽しんでみてください♪