今回は、TwitterでUPしたポン円(GBP/JPY)の、意識ラインを利用した売りトレードの解説しますね。
GBP/JPY フォンダメンタルズとテクニカルの攻防
先週初めから、注目していたGBP/JPY(ポン円)チャートの大まかな動きをおさらいしましょう。
GBP/JPY 4時間足
4時間足に引いた水色のトレンドラインが、ピンクの○でサポートラインとなって、ペナントを形成していることが分かります。
その後、緑色の○でトレンドラインを下に抜け、サポートラインだったトレンドラインがサポレジ転換し、レジスタンスラインとなり、再下落。
意識ラインで反発上昇/再下落しながら、下落トレンドになれば、テクニカルが相場を支配していると言えます。
しかし、意識ラインのないところで下げ止まり、テクニカルで引いた意識ラインを無視して反発上昇(黄緑色の四角)。
ファンダメンタルズによる上昇は、1時間足を見た方が分かりやすいので、下のチャートを参照ください。
GBP/JPY 1時間足
オレンジ色の意識ラインで反発下落することなく上昇後、1時間足の意識ライン(赤色の水平線)の手前で下落。
価格が、意識ライン(水色のトレンドライン、赤色の水平線)で反応せず、一方向のみに動いているため、相場がファンダメンタルズで動いていることが分かります。
この買いの動きを誘発した原因は、「Brexit問題」です。
10月17日の欧州連合(EU)加盟国首脳会議で、「Brexit問題」が討議されたのですが、会議前にメイ首相(イギリス)などの発言を受け、ポンドが上昇しました。
テクニカルが相場を動かしていると判断する理由
私は、テクニカルでトレードをするため、先ほどの1時間足チャートで見た上昇には乗れません。
その後も、明確に相場がテクニカルで動いていると分かるまで、トレードは控えます。
では、何を理由に相場がテクニカルで動いていると判断したのか?
その根拠は、意識ラインで価格が反応しだしたからです。
GBP/JPY 1時間足
黄緑の四角では、意識ラインで価格が全く反応していません。
しかし、その後の値動きを見ると、あるチャートパターンが見えてきます。
どんなチャートパターンか、考えてみてください。
答えは、
オレンジ色のトレンドラインで、反発下落(灰色の○)
4時間足チャートで引いていた水色のトレンドラインで、反発上昇(青色の○)
→ペナント形成
です。
意識ラインで価格が反応し、チャートパターンが形成されたことで、相場がテクニカルで動いていると判断できるのです。
実際のトレード
GBP/JPY 1時間足チャートを見ると、2個目の青○で反発上昇した後、MAで下落。
ペナントのサポートライン(水色のトレンドライン)を下に抜けています。
ペナントをブレイクしたので、サポレジ転換して、サポートラインがレジスタンスラインとなる可能性が高いため、チャートを監視。
GBP/JPY(ドル円)5分足/1分足
上側が5分足、下側が1分足チャートです。
ペナントのサポートライン(水色のトレンドライン)を下に抜けた後、戻りを試します。
エントリー(赤⇩):水色のトレンドラインと5分足のボリンジャーバンド-1σ合致
損切り:水色のトレンドライン上抜け
利確(赤✔):1時間の意識ライン(オレンジ色の水平線)
ペナントのサポートライン(水色のトレンドライン)が、レジスタンスラインとなり、再下落。
17:30 イギリス 経済指標で指値に達し、利確。
損切り6pips、利確38pips。
リスクリワード 1:6.3 の良いトレードでした。
消費者物価指数(英)の発表前にポジションを決済すべき理由
トレードをした日は、17:30に以下のイギリスの経済指標の発表がありました。
- 消費者物価指数
- 小売物価指数
- 生産者物価指数
本来であれば、相場に大きな影響を与えやすい「消費者物価指数」の発表前に、ポジションを決済すべきです。
2018年の「消費者物価指数」だけでも、発表前後10分ほどで、以下の値動きがありました。
- 1月の消費者物価指数:約45pips
- 2月の消費者物価指数:約45pips
- 3月の消費者物価指数:約60pips
- 4月の消費者物価指数:約70pips
- 5月の消費者物価指数:約60pips
- 6月の消費者物価指数:約30pips
- 7月の消費者物価指数:約80pips
- 8月の消費者物価指数:約20pips
- 9月の消費者物価指数:約75pips
平均すると、53.8pips動いています。
この事実を踏まえると、ポジションを決済するのが、本道であることが分かると思います。
10月17日の「消費者物価指数」では、直前の流れに逆行せず、発表前後で約32pipsしか動きませんでした。
しかし、これは過去の値動きから見ると、イレギュラーと言えるほどの値動きです。
初心者の方は、絶対に「消費者物価指数」の発表前に、ポジションを決済してください。
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消費者物価指数(英)の発表前にポジションを決済しなかった理由
では、過去の値動きを知りながら、消費者物価指数(英)の発表前にポジションを決済しなかったのか。
その理由は、複数あります。
- 直近のテクニカル/ファンダメンタルズの動き
- Brexit問題のニュース
- 欧州連合(EU)加盟国首脳会議のニュース
- 各経済指標の前回発表/市場予想
- 経済ニュースに対する相場の反応
- 逆指値注文を入れている
- 損切りがほぼ建値なので、微損で済む
複数の事象を考慮し、さらに可能性は低いとは言え、逆行して損切りになる覚悟もしていました。
その上で、ポジションを決済しなかったのです。
スキャルピングトレード、デイトレードをされる方は、しっかりとした自分なりの判断根拠を持っていない場合、相場に大きな影響を与える経済指標の発表前には、ポジションを決済することをおすすめします。
最後に
チャートパターンをブレイクした後は、レジスタンスラインはサポートラインに、サポートラインはレジスタンスラインになるサポレジ転換の事例と、相場がファンダメンタルズ要素で動いているのか、テクニカルで動いているのか、解説しました。
少しでも、相場の動きを理解する参考になれば嬉しいです。
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テクニカル派なら、テクニカルで動いている相場でトレードをする方が勝ちやすいですし、ファンダメンタルズ派はファンダメンタルズで動いている相場でトレードをした方が良いと言えます。
自分のトレードスタイルを理解し、ぜひ得意な相場でトレードをしてください。