トレンドとはどんな状態か、即答できますか?
できる方、できない方、回答も何通りもあると思います。
しかし、覚えてほしいトレンドの定義は一つです。
トレンドをチャートの中で見つけられるようになれば、相場の動きが理解できるようになるからです。
トレンドの定義
上昇トレンド
高値安値を切り上げている状態
=買いが売りを上回っている状態
下落トレンド
高値安値を切り下げている状態
=売りが買いを上回っている状態
では、実際にトレンドがどのような形をしているのか、見てみましょう。
上昇トレンド
高値となる水色の○も安値となるピンクの○も、前回の高値安値を上回っている状態です。
下落トレンドの形状
安値となるピンクの○も高値となる水色○も、前回の高値安値を下回っている状態です。
チャートで見るトレンド
USD/JPY(ドル円) 4時間足
どこにトレンドが発生しているか、考えてみてください。
答えは出てきましたか?
では、高値安値に○をつけて見ましょう。
意識ラインとなる青色の水平線(111.650)を上に抜けて、反発上昇して以降、高値も安値も切りあがっていますよね。
そのため、左から二個目の水色の○以降が上昇トレンドとなります。
意識ラインの記事を未読の方は、ぜひ読んでみてください。
高値安値の判断方法
上昇トレンドの場合
高値:直近の高値を更新した山
安値:高値の直前の押し(谷)
下落トレンドの場合
安値:直近の安値を更新した谷
高値:安値の直前の戻し(山)
図で見ると、以下のようになります。
なぜ直近の高値/安値を更新した直前の押し(谷)/戻し(山)を重視するのか。
その理由は、「高値/安値を更新する=買い/売りの資金が、売り/買いの資金を上回った」からです。
高値/安値を更新しない限り、相場参加者が迷っていると言えます。
しかし、高値/安値を更新したということは、相場参加者がトレンドを継続することに同意したと言えます。
そのため、高値/安値を更新する起点となった「押し目/戻し」が、相場参加者に意識されやすくなります。
チャネルラインを利用したトレード
トレンドの見つけ方は理解できたと思います。
では、トレンドをトレードにどのように活かすか?
- 上昇トレンド:押し目買い
- 下落トレンド:戻り売り
というトレードが、一般的ですよね。
しかし、高値安値を更新するトレンドでは、水平線だけでは対応しきれないことがあります。
時間経過とともに、価格を更新するトレンドと相性が良いのが、縦軸の価格だけでなく、横軸の時間も反映するチャネルラインです。
先ほどのUSD/JPY(ドル円) 4時間足チャートにチャネルラインを引いてみましょう。
価格が動くポイントと止まるポイントが、チャネルラインと合致していることが分かりますね。
チャネルラインをチャートにいれることで、エントリー、決済ポイントが可視化できます。
トレンドを見つけて、チャネルラインを引く練習をしてみると、相場の動きが分かりやすくなりますよ。
インジケーターでトレンドを判断すべきでない理由
トレンド系インジケーターで、トレンドを判断するという方もいると思います。
良く知られているインジケーターを利用したトレンドの定義として、以下が挙げられます。
- MA(移動平均線)の短期、中期、長期、全てが上昇方向、または下落方向に傾いている状態
- ボリンジャーバンドがエクスパンションした後、寸胴となって上昇、または下落方向に推移している状態
- 一目均衡表の転換線が基準線よりも上側にいる場合は上昇トレンド、転換線が基準線よりも下側にいる場合は下落トレンド
しかし、各インジケーターの特性を理解していない場合、ダマシにあう可能性が高くなるので、注意が必要です。
例:MAを使ったトレンドの定義
MAが短期、中期、長期の順にローソク足に近く、全て同じ方向に傾いている状態
では、短期、中期、長期の設定はどうしますか?
短期MA 20、中期MA 45、長期MA 100の場合
水色の四角が、下落トレンドと言えます。
短期MA 21、中期MA 75、長期MA 200の場合
水色の四角が、下落トレンドと言えます。
同じチャートですが、MAの期間が違うと、トレンドと判断される場面が大きく違っていることが分かりますよね。
このように、インジケーターを利用してトレンドを定義する場合は、各インジケーターの特性を理解する必要があります。
最後に
トレンドに沿ってトレードをすれば利益率や勝率を高めることができます。
今回、紹介したトレンドの定義を利用して、チャートに存在するトレンドを見つけてみてください。
その後の時間経過と価格の動きを観察することで、自分なりの相場の流れを感じれるはずです。
トレードにトレンドを利用せずとも、相場の状態を理解できることは大事です。
「トレンド=自分のトレードスタイルに合った相場ではない」と判断でき、無駄なトレードを減らすことができます。
無駄なトレードを減らすことは、負けを減らし、利益率を改善することにつながります。
相場で生き残るには、相場を知ることが一番です。
トレンドも相場の状態の一種です。
ぜひ、トレンドを見つけられるようになってくださいね。