チャートパターンには、トレンド転換とトレンド継続の2種類のパターンがあります。
今回は、トレンド中に発生するとトレンドの継続を示すチャートパターンを解説します。
チャートパターンとは
チャートに表示される値動きには、一定の形(パターン)が現れることがあります。
過去にも同じような値動きをして、多くのトレーダーに意識されている値動きの形をチャートパターンと言います。
トレーダーが意識しているチャートパターンが形成されると、過去の値動きと同様の値動きをすると考えられ、資金が相場に流入し、価格が大きく動きます。
その流れに乗れば、利益を得やすくなるため、チャートパターンを見つける能力は、トレーダーに必須と言えます。
上昇トレンド継続のチャートパターン
①上昇フラッグ
高値/安値がある一定の範囲内で反発しながら下降し、その後レジスタンスラインを上に抜ける
②上昇ペナント
高値が切り下げ、安値が切り上がりながら、ボラティリティが小さくなっていき、その後レジスタンスラインを上に抜ける
③上昇トライアングル
高値が一定、安値が切り上がりながら、ボラティリティが小さくなっていき、その後レジスタンスラインの高値を上に抜ける
下落トレンド継続のチャートパターン
①下降フラッグ
安値/高値がある一定の範囲内で反発しながら上昇し、その後サポートラインを下に抜ける
②下降ペナント
安値が切り上げ、高値が切り下がりながら、ボラティリティが小さくなっていき、その後サポートラインを下に抜ける
③下降トライアングル
安値が一定、高値が切り下がりながら、ボラティリティが小さくなっていき、その後サポートラインを下に抜ける
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トレンド継続と転換のチャートパターンの見分け方
上昇トレンドは高値/安値が切り上がっている状態です。
トレンドの初期から、ポジションを保有している場合、意識ラインなどで一部のポジションを決済する動きが発生します。
決済による利食い売りが発生し、高値/安値の切り上げが崩れます。
しかし、明確にトレンド転換のサインが出ないかぎり、意識ラインをブレイクして、トレンドを継続する可能性があります。
そのため、トレンド転換のチャートパターンと継続のチャートパターンの違いを見分けることが重要です。
転換のチャートパターン:天井圏、底値圏で発生し、明確な山谷を作り、2,3回の反発でトレンド転換する
継続のチャートパターン:天井圏や底値圏以外で発生し、明確な山谷を作らない
転換のチャートパターンの場合は、素直に価格が動きやすいのが特徴です。
継続のチャートパターンの場合、上昇トレンド継続に向けて、徐々に買いの資金が入るため、大きく価格が一方的に動いて、サポートラインやレジスタンスラインで明確に反発するということはありません。
下落トレンドも同様です。
決済による買いポジションが下落トレンドの勢いを中断し、徐々にトレンド継続の売りポジションが相場に流入します。
流入した資金が意識ラインをブレイクし、一気に価格が下落します。
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チャートパターンの事例
AUD/USD(オーストラリアドル/ドル) 1時間足
安値/高値を切り下げている下落トレンドのチャートです。
青色の平行線がフラッグを示しています。
陰線/陽線が交互しながら、サポートライン/レジスタンスラインを形成しているものもあれば、一方的に買い方向に動いているものもあります。
しかし、意識されているサポートラインを抜けると、下落方向に動いているのが分かります。
明確な転換の動きではない
=トレンド継続の資金が相場に流入している
=トレンド継続の可能性が高い
最後に
トレンド中に、継続のチャートパターンが形成されている場合、上昇トレンドの押し目買いや下落トレンドの戻り売りができるチャンスとなります。
しかし、明確な山谷がない場合は、継続のチャートパターンを見つけにくいものです。
最初は、分かりやすく山谷を作っているパターンやフラッグだけなど、1種類に絞ってみると良いでしょう。
また自分なりに、レジスタンスラインやサポートラインを引いてみることで、だんだんとチャートパターンが見えてきます。
ぜひ、相場の動きを見るための参考にしてください。