東京市場や欧州市場、ニューヨーク市場など、各市場で相場の動きに特徴があり、動きやすい通貨、動きにくい通貨があります。
今回は、時間帯別にトレードに向いている通貨、向いてない通貨、注意する時間を紹介します。
※時間表記は、全て夏時間(サマータイム)表記です。冬時間は、表記の-1時間と考えてください。
① 6時~9時(東京市場 オープンまで)
どの通貨も、動きが鈍い時間帯です。
また、早朝は相場参加者が少ないため、スプレッドが変動制の場合、かなり開くことがあります。
スキャルピングトレードには不向きな時間帯と言えます。
気をつけてほしいのは、週初めの月曜朝です。
週末に地政学的なニュースが発生した場合、先週末の終値と週初めの月曜朝の始値に、大きく窓が開くことがあります。
注意すべき時間
7:45(冬時間は6:45):ニュージーランドの経済指標 発表
8:50:日本の経済指標 発表
「失業率」など、重要な経済指標が発表された場合、NZD(ニュージーランドドル)関連の通貨が、大きく動くことがあります。
2019年5月1日の1-3月期 四半期失業率で、NZD/JPYやNZD/USDは40pips以上、AUD/NZDは60pips以上、動きました。
NZD/JPY(ニュージーランドドル/円) 15分足
② 9時~12時(東京市場 オープン後)
東京市場がオープンする9時以降は、JPY(クロス円)が動きやすくなります。
その中でも、特に相場が動きやすく、テクニカル的な動きをするのは、以下の3通貨です。
- AUD/JPY(オーストラリアドル/円)
- EUR/JPY(ユーロ/円)
- GBP/JPY(ポンド/円)
日本人に馴染みのあるUSD/JPY(ドル/円)は、実需で需要が高いため、テクニカル的な動きより、ファンダメンタルズ的な動きが強い通貨です。
テクニカルトレードをされない方には、良い通貨かもしれません。
同じクロス円でも、NZD/JPYはAUD/JPYにつられて動くことが多いです。
CAD/JPY(カナダドル/円)やCHF/JPY(スイスフラン/円)は、取引量が少ないので、イレギュラーな動きをする時がありますが、テクニカルトレードするには、悪くない通貨です。
注意すべき時間
9:55(冬時間も同じ):日本の仲値が決定
10:30(冬時間は9:30):オーストラリアの経済指標 発表
五十日(ごとび、ごとおび)と言われる毎月5日・10日・15日・20日・25日・30日の仲値は、注意が必要です。
企業の決済があるため、為替も実需の影響を受けやすくなるからです。
オーストラリアの経済指標は、AUDだけでなく、NZDの値動きにも影響を与えるので、トレードされる方は注意してください。
③ 12時~16時(東京市場 クローズまで)
東京市場の午後からロンドン市場がオープンするまでは、あまり値動きのない時間になります。
16時の欧州オープンを前に、東京市場がクローズした15時頃から、値動きが出てくる場合があります。
④ 16時~21時(ロンドン市場 オープン後)
ロンドン市場がオープンすると、EUR・GBP・USDの取引が増えます。
そのため、以下の通貨でトレンドが出やすくなります。
- EUR/USD
- GBP/USD
取引量は少ないですが、USD/CHFやGBP/AUD、EUR/AUDなども、動く時間帯です。
フランスやドイツなど、欧州各国の経済指標が、多い時には30分ごとに発表されます。
相場への影響が大きいのは、イギリスとEUの経済指標です。
注意すべき時間
17:30(冬時間は16:30):イギリスの経済指標 発表
18:00(冬時間は17:00):EUの経済指標 発表
ポンドは、50pips以上動くこともありますので、特に注意が必要でしょう。
⑤ 21時~1時(ロンドン市場 クローズまで)
欧州オープン後の値動きが一段落した21時頃は、アメリカの経済指標の発表が始まります。
注意すべき時間
21:15(冬時間は22:15)/21:30(冬時間は22:30):アメリカの経済指標 発表
世界で、最も取引量が多いUSDに影響を与えるため、発表前から相場に影響が出始めます。
21時前と以降では、相場の動きが変わることもあります。
この時間帯は、以下の通貨が動きやすくなります。
- EUR/USD
- GBP/USD
- USD/JPY
USD/CADは、カナダ経済がアメリカ経済と密接に関連しているため、同じ動きをする場合が多いです。
そのため、ボラティリティが少なく、レンジになりやすい通貨です。
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⑥ 1時~6時(ニューヨーク市場 クローズまで)
ロンドン市場がクローズした後は、ニューヨーク市場の独壇場と言えます。
大きく相場が動く時もあれば、全く動かなくなる時もあります。
FOMC(米連邦公開市場委員会)が、政策金利を発表した際は、大きく相場が動くので、意識しておいた方が良いでしょう。
動きやすい通貨は、以下の通貨です。
- EUR/USD
- GBP/USD
- USD/CHF
AUD/USDやNZD/USDなどのドルスト通貨は、動きがないことが多いです。
チャートで見る時間別の値動き
大きな経済指標がなかった2019年4月12日の主要通貨の値動きを時間別に表示しました。
チャートに表示されている数字と四角の色分けは、以下の時間を示しています。
①:6時~9時(黄色)
②:9時~12時(水色)
③:12時~16時(ピンク色)
④:16時~21時(緑色)
⑤:21時~1時(橙色)
⑥:1時~6時(紫色)
※チャートの時間表記は、日本時間ではありません。
AUD/JPY 15分足
EUR/JPY 15分足
EUR/USD 15分足
GBP/USD 15分足
USD/JPY 15分足
最後に
時間帯によって、動きやすい通貨や動きにくい通貨が異なります。
また、注意すべき時間や経済指標も異なります。
自身のトレードスタイルに合った時間帯と通貨を選択することで、より優位性のあるトレードができます。
トレード可能な時間が限られる場合は、その時間帯の値動きに合ったトレードスタイルを構築するのも手です。
ぜひ、時間と通貨を意識して、優位性のあるトレードをしてください。