スワップポイントとは?
スワップポイントとは、FX取引でポジションを保有している際に、各通貨の金利差から生じるポイントです。
金利は各国で違うため、低金利国の通貨で高金利国の通貨を購入(買いポジションを持つ)すると、ポジション保有中は高金利通貨の金利がポジションに反映され、金利差分がプラスして受け取れます。
逆に、高金利通貨で低金利通貨を購入(買いポジションを持つ)すると、ポジション保有中はマイナスの金利差が生じ、金利差分を支払う必要が生じます。
スワップポイントは、日単位で発生しますので、ポジションを翌日に持ち越さないスキャルピングやデイトレードでは考慮する必要はありません。
しかし、ポジションを数日~数週間保有するスイングトレードでは、考慮する必要があります。
各国の金利
主な国の金利(2018年5月現在)
国名 | 通貨 | 金利 |
日本 | 円 JPY | 0.10 |
アメリカ | ドル USD | 1.75 |
EU | ユーロ EUR | 0.00 |
イギリス | ポンド GBP | 0.50 |
オーストラリア | オーストラリアドル AUD | 1.50 |
ニュージーランド | ニュージーランドドル NZD | 1.75 |
スイス | フラン CHF | -1.25 |
南アフリカ | ランド ZAR | 6.50 |
トルコ | リラ TRY | 8.00 |
日本の金利が低く、南アフリカやトルコの金利が高いことが分かりますね。
こういった高金利通貨と低金利通貨の金利差を狙って、高金利通貨の買いポジションを長期保有し、スワップポイントで利益を得ている方もおられます。
スワップポイントの確認方法
金利は、年単位の利子です。
ポジションを1年持っている場合、上記の金利が適応されますが、FX取引では数日で決済することもあります。
その場合は、日割りでの金利差が適応されます。
スワップポイントは、政策金利の変動によって変更されます。
各FX会社で設定しているスワップポイントが異なる場合もありますので、ご自身の利用されているFX会社の情報を確認することを、お勧めします。
比較として、マネーパートナーズ社と外為ジャパン社のスワップポイントカレンダーを見てみましょう。
マネーパートナーズ社のスワップポイントカレンダー
外為ジャパン社の1万通貨当たりのスワップポイントカレンダー
同じドル円1万通貨当りのスワップポイントでも、マネーパートナーズ社は77円、外為ジャパン社は34円と違いがありますね。
スワップポイント付与日数
スワップポイントは、基本的に数営業日後に受渡しとなり、付与時間は営業日の終了時となります。
例
受け渡しが2営業日後の場合、水曜日の営業終了時(日本時間の木曜日早朝)にポジションを保有していれば、スワップポイントの受渡日が市場の休みである土曜日となります。
しかし、土曜日は市場が休みのため、受渡日が月曜に延長される計算になり、水曜日の営業終了時に土日分のスワップポイントを付与されます。
また、祝日などがある場合は、受渡しが変則的になります。
正確性を重視するのであれば、各社から発表されているスワップポイントカレンダーの付与日数を確認するのが良いでしょう。
スワップポイントの計算方法
各社が発表しているスワップポイントカレンダーを利用すると、正確な計算ができます。
実際の計算の仕方をYJFX社の1万通貨当たりのスワップポイントカレンダーで見てみましょう。
5/7の昼にドル円を1万通貨買いポジションを保有し、5/8の昼に決済した場合
5/7の営業終了時にポジションを保有していたので、1日分の付与となり、71円がもらえます。
スワップポイント 71ポイント × 1万通貨 ÷1万通貨 = 71円
5/8の昼にドル円を5万通貨買いポジションを保有し、5/9の昼に決済した場合
5/8の営業終了時にポジションを保有していたので、1日分の付与となり、320円がもらえます。
スワップポイント 64ポイント × 5万通貨 ÷1万通貨 = 320円
5/9の昼にドル円を1万通貨買いポジションを保有し、5/10の昼に決済した場合
5/9の営業終了時にポジションを保有していたので、土日の分と合わせて3日分の付与となり、192円がもらえます。
スワップポイント 192ポイント(3日分) × 1万通貨 ÷1万通貨 = 192円
各社によって、スワップポイントや土日分の付与日が異なりますので、実際の取引の際は注意しましょう。
最後に
スワップポイント狙いで、長期保有をされる場合は、過去の政策金利とその国の政治・経済状況を参考にしてください。
トルコリラはスワップポイントが高い通貨として人気があります。
しかし、エルドアン大統領就任後は、TRY/JPY(トルコリラ円)はひたすら下落トレンドとなっています。
外国籍の企業を誘致し、国内の経済の活性化を図ったり、政策金利を上げているのにも関わらずです。
その理由は、エルドアン大統領の国内での権力集中化を危惧する国外勢からのトルコリラ買いが入らず、売られ続けているからです。
政策金利、スワップポイントだけを見て、買いを入れたとしても、元のレートから下がり続けていれば、±0、もしくは損失となってしまいます。
長期保有の際は、政治・経済状況や地政学リスクなども加味して、判断すべきです。
相場で生き残るために、できることをしましょうね。