2019年の年明け早々10分ほどで、主要なクロス円通貨が4~6円下落するフラッシュクラッシュ(相場が瞬間的に急落すること)となりました。
相場から、お年玉をもらえた人もいれば、強制ロスカット(含み損が一定の水準を超えたら、ポジションを強制決済すること)となり、手痛い授業料を払った人、退場した人もいるでしょう。
このような暴落や暴騰は、相場で長く生き残っていれば、何度も遭遇します。
その場合に備えて、資金を吹き飛ばさないように、普段から意識して行動することが大事です。
今回は、フラッシュクラッシュの状況と相場で生き残るために意識したいポイントを挙げていきます。
2019年1月3日 クロス円通貨のフラッシュクラッシュ
お正月で東京市場が休場している最中、クロス円のフラッシュクラッシュが発生しました 。
主要なクロス円通貨のチャートを見てみましょう。
USD/JPY(ドル円) 1分足
EUR/JPY(ユロ円) 1分足
AUD/JPY(オジ円) 1分足
各FX会社のフラッシュクラッシュ時の安値とスプレッド
高城泰(@takagifx )氏のTwitter投稿を引用させていただいています。
最安値をつけているのは、FXプライムbyGMOの103.5円。
最大スプレッド幅は、ヒロセ通商の112.1pips。
1分足のデータ抜けが多いのは、セントラル短資FXの7:36~53抜け。
このように、各FX会社によって、安値、スプレッド幅、1分足のデータ抜けが、違うことが分かると思います。
今回、フラッシュクラッシュ時のMT4チャート画像に、携帯のMT4チャート画像を利用したのも、会社によるデータ抜けによるものです。
以下は、パソコンのMT4チャート画像です。
AUD/JPY(オジ円) 1分足
携帯のMT4チャート画像では、540pipsの下落でしたが、パソコンのMT4チャートではデータ抜けにより、140pipsの下落と大きく差が出ました。
このように、暴騰/暴落時はFX会社によってレートやスプレッドなどが、異なることが多いです。
暴騰/暴落時を生き残るために
- 暴騰/暴落に強いFX会社を選択
- 損切りの自動決済注文をする
- レバレッジを見直す
- 追加証拠金制度の有無を見直す
- 複数のFX会社で取引
- ロスカット水準を変更する
- FX会社の取引時間を把握する
- ポジション保有時は、チャートを監視するトレードスタイル
- パソコンやスマートフォンなど、複数のデバイスから口座にアクセスできるようにする
- 相場の値動きを確認しづらい時は、事前にポジションを決済する
暴騰/暴落に強いFX会社の選択
以下を目安に、トレードするFX会社を選択すると良いでしょう。
- 暴騰・暴落時のスプレッド差が小さい会社
- データ抜けが少ない会社
- サーバーダウンが少ない会社
- 緊急時の取引停止が少ない会社
損切りの自動決済注文を入れる
エントリー前にトレードプランを立てていれば、利確、損切りは想定されているはずです。
最低限、損切りだけでも、自動決済注文を入れておけば、暴騰や暴落により大きく損失が膨らむ前に、損失を確定できる場合があります。
損切りの自動決済レートに、暴騰や暴落中に達した場合、多少スリッページは発生するかもしれませんが、約定できるはずです。
ただし、暴騰や暴落による値飛びやサーバーダウンが発生すると、注文が通らず、損切りレートより悪いレートで、決済注文が約定される場合もあります。
確実とは言えませんが、自衛手段の一つになります。
レバレッジを見直す
レバレッジは、国内のFX会社で最大25倍、海外では最大200~1000倍となります。
暴騰/暴落で資金を大きく失わないために、低レバレッジでトレードするか、海外の高レバレッジを利用し、資金を失う前提で少ない資金でトレードするか。
これも、資金を守るための戦略となります。
追加証拠金制度の有無を見直す
国内のFX会社には、追加証拠金制度があります。
追加証拠金が発生する条件は、各FX会社によって異なります。
口座資金がマイナスになって発生する場合もあれば、ポジションに対して口座資金の維持率割合で発生する場合もあります。
自分の利用しているFX会社の条件を把握することが重要です。
また、海外のFX会社は、ゼロカットシステム(最大損失額を口座資金内にすること)を採用しているところが多いです。
これは、スイスフランショックのように、相場が暴騰/暴落した際に発生したマイナス残高は追加証拠金を請求することなく、ゼロリセットされるシステムです。
口座残高がマイナスとなる可能性がある日本のFX会社ではなく、ゼロカットシステムを採用している海外のFX会社を利用するのも、資金を守るには有効でしょう。
※過去にゼロカットシステムを採用していながら、経営状況の悪化により、追加証拠金の請求をした海外FX会社がありましたので、ご注意ください。
複数のFX会社で取引
一つのFX会社だけで取引していた場合、その会社がサーバーダウンしたり、取引停止すると、資金やポジションがロックされてしまいます。
また、各FX会社によって、暴騰/暴落時のスプレッドやデータ抜けが異なるので、A社ではポジションがロスカットされなかったが、B社ではポジションがロスカットされたなどの事例もあります。
そのため、複数のFX会社でトレードをすることで、リスク分散できます。
ロスカット水準を変更する
ロスカット水準は、任意で変更が可能です。
そのため、ロスカット水準を引き上げることで、資産を守ることができます。
ロスカットの弱点として、暴騰や暴落による値飛びやサーバーダウンが発生すると、ロスカット水準以下で、強制決済される場合があります。
サーバーダウンなど、どうしようもない場合もありますが、自衛のためには有効に利用すべきでしょう。
FX会社の取引時間を把握する
暴騰や暴落が発生した時に、FX会社が取引時間外であれば、手も足もでません。
そのため、普段の取引可能時間だけでなく、クリスマスやお正月など、イレギュラーな取引時間となる場合も、事前に把握しておきましょう。
特に海外のFX会社を利用している場合、日本とは異なる取引時間となることが多いので、注意が必要です。
ポジション保有時は、チャートを監視するトレードスタイル
今回のフラッシュクラッシュで大きな損失を受けないためには、損切りの自動決済注文を入れておくべきです。
しかし、損切りの自動決済注文を入れれないのであれば、ポジションを保有中はチャートを監視するトレードスタイルにして、手動で損切りをするしかありません。
パソコンやスマートフォンなど、複数のデバイスから口座にアクセスできるようにする
常に、複数のデバイスからトレード口座にアクセスできるようにしておくことで、急な暴騰/暴落時にポジションを守ることができます。
普段はパソコンからトレードしていても、パソコンを持たずに出かけている時に、スマートフォンから口座にアクセスできれば、ポジションを守ることも可能です。
相場の値動きを確認しづらい時は、事前にポジションを決済する
今回のフラッシュクラッシュは、お正月の三が日に発生しました。
多くの日本人トレーダーは、家族サービスで出かけたり、実家に帰省したりと休みを満喫している状況だったと思います。
しかし、日本以外の欧米やイスラム圏といった海外勢にとって、1月3日は通常の業務日です。
当然、相場は動きます。
相場の値動きを把握しづらい時は、事前にポジションを決済するのも、リスク解消となります。
最後に
今回のフラッシュクラッシュについて、色んな方が分析しています。
分析の中には正解もあるかもしれませんが、分析している間にも相場は動きます。
動いている相場で、如何に自分の資金を守るか。
そのために、普段からの備えが重要なのです。
新年のまったりした空気が吹き飛ぶようなフラッシュクラッシュでしたが、相場で生き残っていくためには、うまく付き合っていく必要があります。
普段から、資金を守るための行動を意識していきましょう。